人事・コジマ目線 ytvのひとたち⑩技術局・藤本駿さん
2023.03.07
人事の小島です。
これまで20年間、報道局に所属し、ten.の「コジマ目線」でニュースを解説してきました。
今は人事局で、現場の仲間たちが思う存分、活躍できるようお手伝いをしています。
みなさんが応援してくださっている「ytv」の人たちを、「コジマ目線」で紹介していきます。
今回は技術局の藤本駿さん。テレビ局の心臓部「マスター」で、番組がちゃんと放送されるように目を光らせています。
コジマ)今はどんな仕事をしていますか?
藤本)僕は大学院で宇宙のことを研究していて、科学的な番組に携わりたいと思ってテレビ局に入りました。今、入社4年目で、マスターで放送の監視や緊急対応、放送機材のメンテナンスなどを担当しています。あとICT開発の部署とも兼務をしていて、「鳥人間コンテスト」で飛行機の航跡を描くGPS班として番組制作に参加しています。
コ) マスターというのは、わかりやすく言うとなんなのでしょうか。
藤本) マスターは平たく言うと、テレビ局の最後の砦です。
テレビ局では生放送や収録などで、いろんな番組が作られていますが、すべて必ずマスターを通ります。そしてマスターの次はもう家庭のテレビになりますので、テレビ局の最後のチェックポイントです。
シフト制で、日勤は10時に出社して夕方6時まで、監視業務にあたります。
CMを流すタイミングや長さは決められたとおりに準備されているか、とか、字幕放送の番組ならちゃんと字幕が出ているか、データ放送は間違いないか、番組表はきちんと表示されているか、などチェックすることはたくさんあって間違いは許されません。
入社以来この仕事をしていますが、今でもドキドキします。特に、夕方6時から翌日10時までの夜勤の16時間は、シフトに入っている4人しか周りにいないうえ、深夜から早朝までは、二人ずつ交代で勤務をおこなっていますので、何かあったらまず2人で対処しないといけません。この緊張感は今でも全然慣れません。
大地震のときには緊急対応が必要になりますので、「今、南海トラフ地震があったらどうしよう」とかずっと考えています。
コ)気を付けていることはありますか?
藤本)食事は気にしています。僕は辛い物が好きなんですけど、マスター勤務の前日は絶対に食べません。脂っこいものもおなかを壊しやすいので、こってりとしたラーメンとかも避けるようにしています。そして「こんなことがあったらこういう対処をしよう」というシミュレーションを頭の中でずっとしています。
なので、僕は仮眠室にいっても全然寝られなくて、目をつぶっているだけです。何かあったら呼び出されるので、いつでも動けるようにしています。
コ)実際に何か起きたことはあったんですか?
藤本)コロナで安倍元総理が緊急事態宣言を出すというときに、急遽、報道特番をすることになって、まだ1年目終わりのころでしたけど、任されて一から準備しました。
放送予定だった番組の流れやCMの位置などは全部使えなくなりますので、新しく放送計画を作って、字幕はどうする、データ放送はどうする、CMはytvの操作で放送するのか、日本テレビからの信号を受けて自動で放送するのか、すべて段取りしました。
真相に迫る報道番組、胸を打つドラマ、キレッキレのバラエティ...これらをみなさんに間違いなく届けるために藤本さんのようなマスターの人たちがいます。
コ)この仕事のやりがいはどんなところにありますか?
藤本)マスター全体に影響するようなプロジェクトに関わって、放送の安全性や安定性が進んだ時にはやりがいを感じます。
例えば「名探偵コナン」や「僕のヒーローアカデミア」といった作品は制作スタジオのある東京からオンラインで送られてくるんですが、これまでは大阪・本社に届いたファイルを、手動で収録・確認していました。
でも人の手が入ることで、忘れたり、間違えたりという恐れがあるので、これを自動化するというシステムを作りました。最近うれしかったことです。
マスターの仕事は「放送事故」を起こさないように日々の業務をちゃんとすることです。
放送が一定時間以上途切れると総務省に報告する必要がありますし、それ以前に、視聴者のみなさんやスポンサーさんにも迷惑がかかります。どうしたらもっと「簡単に」「安全に」できるかということを日々、考えています。
コ)責任重大ですね。
藤本)でも僕たちの仕事は「ディフェンシブ」で前に出ることがないので、もっとマスターのことを知ってほしいと思って、実は僕はテレビにも出たんです。「オードリーさん、ぜひ会って欲しい人がいるんです!」で一発芸も披露しながら、マスターの話をしてきました。
周囲の反響はありましたよ。
コ)ちなみに一発芸とは?
藤本)「高速目ん玉動かし」です!
一発芸はさておき・・・
日々、緊張を強いられるマスター勤務。藤本さんはどのように気分転換をしながら、みなさんが推してくださっている番組を届けているんでしょうか。藤本さんの「推し」を聞きました。
藤本)僕は多趣味でいろんなことをしています。スノーボードやダイビング、ドライブ、旅行、スパイスカレー...。生きているうちに、体が動くうちに、やりたいことを全部やっておきたいなと思っています。死ぬときに「あれ、やりたかったな」と後悔したくないんです。
コ)やりたいと思ってまだできてないことってありますか?
藤本)今は海外旅行ですね。あとお金がたまったら宇宙には絶対に行きたいです。
宇宙ってまだ広がっているんですよ。その中で生命がどう生まれたのか、人類がどこから来たのか、ということはすごく気になっています。
実は仕事もいろんなことがしたいんです。マスターの仕事が一人前にできるようになったら、次は制作現場で照明をやったり、新しい番組作りにも携わりたいと思います。
ゼロからイチを生み出すことがしたいんです。
きょうもいつものように読売テレビからはみなさんのもとに、番組が送られています。その舞台裏では、藤本さんのようなエンジニアたちが、マスターで監視と創意工夫を続けています。ときにはそんなテレビ局の「心臓部」にも、エールをお願いします!
公開されているコメントはありません。