【くるりytvの人めぐり #8】 制作局・岸本 至生さん、技術局・矢野 鼓子さん編
2024.08.23
ytvアンバサダーの皆さんこんにちは!読売テレビ人事局の清水くるりです。
「くるりytvの人めぐり」は、みなさんが応援してくださっている
「ytv」の人たちを巡り、ご紹介するブログです。
#8は、"憧れの先輩にインタビュー"回!
先輩にあたる制作局・岸本 至生さん、後輩にあたる技術局・矢野 鼓子さんのクロストークをお届けします。
岸本さんは、音楽番組を中心に、幅広いジャンルの番組のディレクターとして活躍されています。
矢野さんは、VE(ビデオエンジニア)という、映像演出に関わる仕事を担当しています。
矢野さんが岸本さんをクロストークの相手に選んだ理由
★矢野(技術局)
私がVEを担当している中で、
初めて映像の色についてコメントを下さったのが、岸本さんだったのです。
★岸本(制作局)
え、そうなん!
何の番組のとき?
★矢野(技術局)
『笑い飯 presents ひとりで60分』のときです。
「白がちょっとアンバーっぽい」っておっしゃっていました。
★清水(筆者)
すみません、"アンバー"とはいったいなんでしょう...(笑)
★矢野(技術局)
そうなるよね(笑)
当時、周りのスタッフの中でも「アンバーって何?」「めっちゃ詳しい方だ...!」みたいな
空気になっていました(笑)
★岸本(制作局)
いやいや、正直僕もアンバーをちゃんと言語化できないし、全く詳しくないよ(笑)
アンバーは、カメラさんや照明さんが言っているのを覚えていて、そのまま言っただけなのだけど、
なんか"オレンジ?茶色?っぽい感じ"ということだよね?
★矢野(技術局)
そうです!"ちょっと茶色がかっている"みたいなイメージです(笑)
あと、新番組『音道楽√』の収録で、
色にこだわりながら進めていらっしゃる姿が印象的で、今回の機会にぜひお話したいなと思いました。
お二方それぞれのお仕事について
★岸本(制作局)
僕は入社9年目で、1年目からずっと制作局で働いています。
最初はADをやっていて、3.4年目ぐらいからディレクター業務をやっているという感じです。
番組としては、これまで『上沼・高田のクギズケ!』『あさパラS』を担当していたのですが、
この6月から『そこまで言って委員会NP』と、『草彅やすともの うさぎとかめ』を担当するようになりました。
特番で言うと、『鳥人間コンテスト』や『ベストヒット歌謡祭』、
それから『笑い飯 presents ひとりで60分』は初めて自分の企画を通せた番組です!

★矢野(技術局)
私は入社2年目で、1年目から技術局のVEという仕事を担当しています。
VEは「ビデオエンジニア」の略です。

★岸本(制作局)
VEさんとは、いつも番組制作を一緒にやらせてもらっているけれど、
細かい仕事内容は理解しきれてない部分もあるなぁ。
★清水(筆者)
確かに。このブログを読んでくださっている人の中でも、
VEのお仕事を知っている方の方が少ないかもしれないですね。
★矢野(技術局)
そうですよね。私も入社するまでは、VEのことを知らなかったです。
そして、恐らく、私も未だにVEの全貌を理解できていないと思います。
簡単にVEの説明をすると、番組収録中は「被写体を"ありのままの状態"で映せるように、映像調整をする」という仕事です。
例えば、「白いものは白く映す」「肌色は肌色に映す」というようなイメージです。
★岸本(制作局)
収録ではカメラが何台もあるから、調整が難しそうだね。
★矢野(技術局)
おっしゃる通りです。
カメラが何台もある場合は、カメラを切り替えた時、
色と明るさが変わりすぎて違和感を抱かれないように、すべてのカメラの調整をしています。
あとは、映像システムの管理や設計まで行います。
想像していた以上に様々な仕事があるので、毎日が勉強ですね。
お互いの仕事についてぶっちゃけ質問
★岸本(制作局)
冒頭でも言ったけれど、VEさんと一緒に番組制作をしているものの、
VEの仕事についてはまだ知識が浅く、大変さも理解しきれていないと思うので、
「どんな作業が大変なのか」具体的に教えてもらいたいです。
★矢野(技術局)
私が一番難しいと感じているのは、映像システムに関する仕事です。
この仕事では、物理系の知識が必要になるのですが、
私はもともと物理をしっかりと勉強してこなかったので、
目の前のことを理解するだけでも、苦戦することがあります。
★岸本(制作局)
植物学が専攻で、クロマツの研究をしていたのだよね。
★矢野(技術局)
え、なんでご存知なのですか!(笑)
★岸本(制作局)
僕は根っこが人見知りすぎて、
今回の取材では「何か矢野さんに関する情報があった方が安心だな」と思い、
矢野さんが入社した時の社報に書かれていた、自己紹介を読んできました(笑)
★矢野(技術局)
めっちゃ恥ずかしいです(笑)でも、ありがとうございます!
それから、サブ(スタジオ内にある機材の調整をする部屋)や中継車には沢山の機械がありますが、それらがどんな役割なのかを覚えるのも、かなり大変でした。
★清水(筆者)
覚えることがかなり多いのだね。
そんな中で、岸本さんから、何ですっけ、あの...あ、アンバー?なんてことを
言われたら、「この人詳しそう!」って、心強く感じるよね。
★岸本(制作局)
いやいや、アンバーいじっているやん(笑)
★矢野(技術局)
(笑)
でも、本当に心強かったです。
特に私はVEになって日が浅いので、まだまだ正解が分からない中、
「こんな感じの色にしたい」と伝えていただけたことで、
自信を持って仕事を進めることができました。その経験があったからこそ、
「制作と技術が一丸となって番組制作をしている」ということを強く自覚できました。
★岸本(制作局)
自分が思ったことを言っただけなのに、そんな風に言ってもらって...嬉しいです。
今の矢野さんの話を聞いて、もっと密に技術さんと連携して、
"全員で番組を作っていくのだ"という意識を強く持って動いていきたいなと、改めて思いました。
★矢野(技術局)
私からも質問させてもらいます。
音楽番組では特に、色やコントラストなどの映像演出を
こだわって考えていらっしゃると思うのですが、
どこから演出のアイデアを得られているのか、ぜひ教えていただきたいです。
★岸本(制作局)
実を言うと、僕はそこまで詳しい映像演出の知識は持っていないのです。
ただ、音楽チームの先輩方が、カメラに詳しい方が多くて、
その知識を教えてもらって、何とか食らいついているという感じです。
音楽番組では、カット割り(撮影前にシーンごとの構図やアングルを決定する作業)や、
カメラワーク、サイズなどに気を配りがちなのですが、
「ステージの明るさや色味、機材トラブルなど、大きい部分により気をつけておかないと、
事故に繋がる可能性がある」
というこれまでの経験から、映像の色や明るさにも少しずつ気を配れるようになりました。
例えば、アーティストさんの近くまで寄って撮影をする際、
ステディカム(カメラマンの移動によって生じるブレを抑え、スムーズな映像を撮ることができる機材)を使うのですが、他のカメラとは機能が異なるため、質感や色味などが変わることがあります。
その際、まさにVEさんがそれらを調整してくださるので、自分が実作業をする訳では無いのですが、「こんな演出にしたい」というゴールは共有しておいた方が良いなと思い、伝えるようになりました。
★清水(筆者)
少し話がそれるかもしれないのですが、音楽番組の放送があると、カメラワークや演出について、SNSで話題になることがあるじゃないですか。
「カメラマンさん最高!」というような感じで。
そういう投稿を、実際見られたりするのでしょうか。
★岸本(制作局)
そうですね。見て、参考にさせてもらうことがあります。
投稿もそうなのですが、日常的に他の音楽番組を見て、「なるほど、そういう演出もあるのか...」と学ぶことが多いです。
★矢野(技術局)
確かに、私も番組の見方はかなり変わりました。
他局の番組を見て、「このステディカム、めちゃくちゃ自然な色になっていてすごいな...」
「どうやって調整しているのだろう?」と、思うことが多々あります。
★岸本(制作局)
それから、僕はアイドルが好きなのですが、テレビ局に入るまでは、「このカメラワーク良かったな」ということよりも、「自分の推しがちゃんとワンショット(1人を画面の中心に捉えて撮影するショット)で映るかな」ということばかり気にしていました。
だからこそ、今番組を制作するにあたって、
制作目線でカメラワークや色を気にするだけでは無く、
ファン目線にもなって、「ちゃんと後列の子まで映してあげたいな」というような
素直な気持ちに立ち返ったうえで、演出を考えることも意識しています。
バランスが本当に難しいですが、経験を積んで模索していきたいです。
今後挑戦していきたいこと
★岸本(制作局)
実は、今回矢野さんから「喋りたい」って言ってもらえたことが
めちゃくちゃ新鮮かつ嬉しいなと思っていました。
僕、20代の時はとにかく余裕がなくて、周りの人に生意気な態度を取ったり、
失礼なことを言ってしまったりと、反省している面があります。
また、これまでずっと番組制作に携わってきましたが、
"チームで作っていくのだ"という感覚が、本当に大事だということを実感する機会が沢山ありました。
特に、『ベストヒット歌謡祭』のような大型番組だと、
1000人近くのスタッフさんが関わることになりますが、
その先頭に立っている人の一言で、皆の士気が大きく変わったりします。
こういった経験から、今回のように後輩はもちろん、先輩からも、
「岸本と喋りたいな」「岸本と仕事していたら楽しいな」と思ってもらえるような人になっていきたいなと思っています。
★矢野(技術局)
私は、いい意味でテレビっぽくない映像を作ることに挑戦したいと思っています。
例えば、音楽番組で言うと、これまではカメラの通常機能で撮影して、
"theテレビの音楽番組"という感じに仕上げていたのですが、
他の機能を使うと、ライブっぽい質感やシネマっぽい質感を出すことができるので、少しずつ挑戦していきたいなと思っています。
ただ、私自身、演出のことはまだまだ分かっていないので、
岸本さんをはじめとする先輩方から教えていただきながら、
一緒に作っていけたら嬉しいなと思います。
★岸本(制作局)
実は、新番組『音道楽√』でも、
制作の先輩が「色味や質感を普段より少し違う感じにしよう」と話されていました。
逆にいつかVEさん発信で、「こんな演出、色味はどうですか」というアイデアをもらえたら、
僕たち制作陣には思い浮かばないようなものに出会えそうなので、わくわくします。
一緒に良いもん作れたら嬉しいね。
がんばっていこか!
★矢野(技術局)
はい、ぜひお願いします!
番組制作をそれぞれの役割から支えられている岸本さん、矢野さん。
2人が同じチームになって演出される番組を観られる日が、今から楽しみです。
ぜひアンバサダーの皆さんも楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!
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